都内を中心に数千戸の管理を手がける不動産管理会社のベテラン、佐藤さん(仮名)に、賃貸物件におけるトイレ交換の実情について話を伺いました。佐藤さんによれば、トイレの交換依頼は年間を通じても非常に多い相談の一つであり、そのほとんどが設置から十五年から二十年を経過した経年劣化によるものだと言います。管理会社の本音としては、入居者から不具合の連絡があれば、できるだけ早急に解決したいと考えています。なぜなら、トイレのトラブルは生活への影響が大きく、対応が遅れると入居者の満足度が著しく低下し、退去の原因にもなりかねないからです。しかし、最終的な決定権は大家さんにあります。佐藤さんは「大家さんの中には、まだ使えるなら修理で安く済ませたいと考える方も多いのですが、私たちはあえて新品への交換を提案することがよくあります」と語ります。その理由は、古いトイレに多い「節水性能の低さ」と「部品供給の終了」です。十数年前のトイレは一回の洗浄で十リットル以上の水を使うものが多いですが、最新式は四リットル前後で済みます。また、古い型式だとパッキン一つを交換するのにも数週間待ち、結果として工賃が高くつくこともあります。それならば、数万円を上乗せして本体ごと最新型に変えてしまったほうが、後のトラブルが減り、将来的な空室対策としても有利になるのです。佐藤さんは入居者へのアドバイスとして「単に壊れたと言うだけでなく、生活にどんな支障が出ているかを具体的に教えてほしい」と言います。例えば、夜中に水音が聞こえて眠れない、掃除をしても衛生状態が保てずストレスになっているといった声は、管理会社が大家さんを説得するための強力な武器になります。また、水漏れなどの緊急時に備え、普段から止水栓の場所を確認しておき、異常があれば即座に連絡をくれる入居者は、管理側からも信頼され、結果として丁寧な対応を受けやすくなるそうです。経年劣化による交換は、入居者と大家さん双方にとってWin-Winの結果をもたらすものであるという視点を持つことが、スムーズな解決への第一歩となります。
不動産管理会社の担当者に聞く賃貸トイレの経年劣化による交換の裏事情